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黄耆建中湯について

峯 尚志

黄蓍建中湯は小建中湯に黄耆を加えた処方です。小建中湯は芍薬、甘草で腹痛を治し、腹壁の緊張を緩め、膠飴が粘膜に栄養を与え、腹部内臓、とりわけ消化管が伸びやかに機能を発揮するのを助け、桂枝、芍薬で自律神経機能を調節し、食欲を増し、小児の体質改善の妙薬です。さらに黄耆を加えた黄蓍建中湯は、水太りの皮膚を引き締め、固表止汗作用によって盗汗を止め、托裏消毒作用によって体表に溜まって外に出られない毒を排出し、表皮の機能を高めて元気が漏れ出るのを防ぐ力を持ちます。

本稿では、桂枝湯から桂枝加芍薬湯、小建中湯、黄蓍建中湯に至る処方の成り立ちから黄耆小建中湯の方意をひもとき、さらに黄蓍建中湯の方意を症例を提示しながら解説しています。



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