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尋常性痤瘡の漢方治療について

  • 峯 尚志
  • 2024年6月19日
  • 読了時間: 1分



思春期の男女に好発する痤瘡は、体内で発生した余分な「熱」が皮膚に影響を与え、そこに外界の熱(風熱)の刺激が加わってできると考えられています。また体の内部のバランスが崩れ、血熱・湿熱・痰湿などの病邪が体表部を犯すことでニキビが発生します。 そのため、体内のどこに熱がこもっているかを見極め、その熱を取り除いたり、余分な熱が発生しないように体のバランスを整えたりするといった治療が必要です。 


男性に多くみられるような熱証としての痤瘡は、清上防風湯のように祛風清熱作用のある処方、慢性化して膿が皮下に溜まっているものに対しては荆芥連翹湯のように祛風清熱解毒剤が用いられます。また肝欝気滞の合併例、女性に於いてはホルモンバランスの乱れから痤瘡が出来る例も多く、疏肝解欝の加味逍遥散、駆瘀血の桂枝茯苓丸や桂枝茯苓丸加薏苡仁が頻用されます。背景に冷えがあるいわゆる白ニキビにたいしては当帰芍薬散が有効な例もあります。痤瘡の治療においては、表面の痤瘡の性状とともに、患者さんの体質についても配慮して処方を選択することが重要です。また、食養生、睡眠など生活習慣の指導をあわせて行うことが肝要となります。 

 



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