寒滞肝脈
- 峯 尚志
- 2024年6月21日
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寒滞肝脈は、肝経の経絡に沿った場所に冷えを伴う痛みを生じる病態です。
肝経は鼠径部を貫くので、鼠径部周辺の冷え痛みがあったら寒滞肝脈と弁証することが多いです。
日本漢方では疝気症候群と言われることがあります。代表処方は当帰、枸杞子、茯苓、茴香、肉桂、烏薬、沈香からなる暖肝煎、当帰四逆湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯です。大建中湯もお腹の冷え痛みに用いられる処方です。
同じくお腹の冷え痛みを目標に、前立腺肥大や繰り返す膀胱炎の症例などを提示しています。生薬としては当帰、呉茱萸、乾姜、茴香、山椒などの温める力の強い生薬を使います。またこめかみも肝経で、偏頭痛に温性の呉茱萸湯が用いられるのも興味深いところです。
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